第7次ネパール教育支援の旅無事に終了
今回の目的

1 大石トキさん個人寄付金によるスンディー小学校3教室1職員室の落成式
2 教員研修についてタンセン市役所、セン小学校校長ルンビニ関係者と協議及び計画立案
3 ルンビニ移動図書に関しての協議及び計画立案
4 日本語学校(ラマ校長)視察訪問
5 賛助会員梶氏を含む7名の新規参加者-計15名

期 間  2003年1月26日〜2月2日
参加者  齋藤会長  大石トキ  沼野和子  和田泰子  濱崎ヤスエ
     松浦陽子  加藤雅子  岩田泰子  掛川和子  木幡久美子
     梶 和愛  小宮山美樹 小川直子  小張泰洋  大谷安宏

1月26日 初のネパール行き4名、会としての初参加3名の総勢15名は羽田、関空で全員集結。約1.5時間ほどの延着て゛カトマンドゥ入り。
梶氏体調不良?荷物のチェックの厳しさを予測し、手持ちとしたマルチメータも何とか無事通関。Hバイシャリ入り。
1月27日 カトマンドゥ日本語学院視察。1965年創立。教師18名内4名日本人。 現在生徒85名
授業を見学、弁論大会のリハーサルを聞く。大石さん激励挨拶。霧が厚く飛行機の発着が大幅に遅れていたが、
ラマさんの交渉でポカラ便をバイラワ行きに変更。雲は多いがヒマラヤの峰々は望める。タンセンは雨模様。
3年前の中間調査では夕立にあったが、ネパールでの雨は珍しい。ナグロレストランで学長、教授、校長ら12名との夕食会。
トリブヴァン大学副学長     ラメショー・マン・バジマヤ
  〃   〃         ジワン・バハドゥ・タパ
  〃   〃         ラメシャ・ナラヤン・トリプティ
シリナガルサイエンス校     チャタラジ・ジャカ
  〃   〃         ディレンダラ・パルサド・シレッスター
トリブヴァン大学々長       チョレショワ・シャルマ
ミレニアムサイエンス校理事長  サントス・タレ・シャレスタ
パドゥマパブリックナムナ校々長 レクシム・ウパドハヤ
ミレニアムハイスクール副校長  アンバー・ラジ・バスネット
セン・セカンダリー校々長    ミーン・バハドゥ・K・C
モホンカニヤセカンダリ校々長  ダー・プラサド・バジャチョヤ
   〃   〃    教員  デビ・プラサド・ダカール
1月28日 期待したヒマラヤは小雨の厚い雲に遮られ、時たま稲光までも。残念。初めての人にヒマラヤの峰々を見て欲しかった。
トリブヴァン大学理系校見学。
同校にて合同図書・計測器贈呈式。
     トリブヴァン大学文系校      101冊    ¥57000
         〃   理系校       58冊    ¥40000
     シリナガルサイエンス校(2校?)  97冊    ¥39000
     モホン女子校            88冊    ¥24000
     ミレニアムセカンダリ校(2校?)  79冊    ¥31000
ジャナタ(JVT)小中高校     89冊  ¥18000
     パドゥマ・パブリック校       70冊    ¥20000
上記9校に582冊を寄贈し延べ約3000冊となる。今日までに延べ12回の車への積み下ろしと、
1冊毎に3ヶ所会のゴム印を押してくれたラマさんに感謝。
2企業からの支援計測器をトリブヴァン大学理系校、シリナガルサイエンス校に寄贈。
・ジャナタ(JVT)小中高校視察:タンセンでは歴史のある学校で1350名(女子35%)この校舎を借り教員養成施設
タンセンマルティパルキャンパス300名(女性50%)がJVTの始業前の6:00〜9:45に授業。
 ルンビニ教員研修のカリキュラムが組めるか期待。
・パドゥマ・パブリック校視察:新規図書支援校  600名
・パラヨン・タラ・ダワン校視察:10プラス2の2にあたる学校
・ミレニアム・セカンダリー校視察:2年前から図書支援のプラス2校 300名
・ワーキングチルドレン校:住み込みで働く子供の学校。仕事の合間に通学。6〜14才の30名
  小4までのレベルを教育。 女性教師2名ボランティア
・モホン女子校:425名 紙コプターと歌で交流
・セン小学校:要請のあったパソコン一式寄贈セッティング。 ¥83000教員研修には前向きな支援協力を確認
      700名 テニスボールで交流
・市役所表敬訪問は時間切れで中止する。シリナガルHにてルンビニでの文具仕分け作業。梶さん体調不調

1月29日 タンセン〜バイラワ〜ルンビニ。
・ タンセン準看護学校視察
・ シリ・スンデイー小学校落成贈呈式
  雨の上がった陽光に真っ白な3校舎、向い側の職員室は輝いていた。村関係者、教員、村人、子供たち500名ほどの盛大な落成式。
地域・学校代表者の謝辞の後会長に続き今回の資金提供者大石さんの挨拶、和田さんのネパール語への通訳に大拍手。
大石,和田親子により各部屋のテープカット。
・ シリ・アディアリ小学校視察
・ マホマディァ小学校視察
・ シリ・マズワニ中学校視察:1年生43名 2年生40名途中入学の数人を除き制服着用。今年の寒さに制服だけで寒そうな感じ。
今村さんの写真寄贈。青沼さんの写真を全員に配布。記念写真
・ シリ・マズワニ小学校視察
・ マズワニ村保健センター視察:地域での保健センター建設が進行中。保健婦風邪で不在。建設完成を見て支援設備の検討
・ シリ・シリ・ラム小学校視察:敷地内に中学校2教室外壁まで建設中
・ シリ・ルンビニ小学校視察:ルンビニ地区学校長との懇談会
     ルンビニ公園前のレストランで夕食を兼ねて教員研修、移動図書の提案について意見交換を行った。
     出席者 シリ・マズワニ小学校長    ムキヤ・ラム・チョウダリ
         シリ・シリ・ラム小学校長   ハリムラ・ティルパティ
         シリ・グルワニマイ小学校長  バッヂソ・プラサド・パル
         シリ・アディアリ小学校長   モホン・プラサド・ヤドゥ
         シリ・ルンビニ小学校長    クリシュナ・パサード・パンタ
         シリ・スンディ小学校長    ソマイ・プラサド・ダオル
         ヤナトラハ小中高校長
・ 会長挨拶  
  校舎建設を新たに3校要請があったが建設は一区切りとしたい。ルンビニ各支援校の教育指導力の向上策として、各校長のタンセンの学校視察、タンセンの先生とルンビニでの交流、図書館建設等提案したいが各校長のリーダーシップが不可欠だ。教育向上に関する手段について意見をお聞きしたい。
要望が多岐にわたり早急な対応は難しいが継続して支援を考えたい。この地区の女子の就学率の向上は皆さんの努力のお陰と喜んでいる。
・ スンディ小学校:ルンビニの子供たちのレベルアップに教師のタンセン視察等の話は教育レベルの高い所なので大変有意義。
タンセンで学んだことを少しづつ真似し向上していくと思う。ミカの会に建物を建てて貰ったが中味が良くならなければならず大変良い提案だ。
床に座って学ぶ子供たちに机と椅子がほしい。この地区は全体に貧しい。これからもゆっくりとした支援を望む。
中間調査の際も要望を出し恥ずかしいが出さざるを得ないのが実情だ。
・ ヤナトラハ小中高校:学生が多く教室が足りず困っていたが5教室を支援してもらい村の者で喜んでいる。お陰で天候に左右されず授業が出来る。
タンセンとタライ平原とは教育レベルに大きく差がある。我校もタンセンレベルに上げるよう頑張っているが、周りの環境のため伸びていない。
小中高校の高校でさえ床に座って学んでいる。柵もない。
・ シリ・シリ・ラム小学校
中間調査の際の要望は机、椅子、井戸。生徒数が増えている。
授業内容のレベルアップは大切だがどうしてよいかわからない。研修という話にとても喜んでいる。
・ アディアリ小学校
50年教室が足りず困っていたが建設支援に喜んでいる。柵を設けてほしい。
すぐにタンセンのレベル難しいが皆の協力によっていつかは出来ると思う。
・ グルワニマイ小学校
扇風機4台(Rs.2800×4=Rs.¥18000)を頂きありがたい。
あまり云うと恥ずかしいが1クラス2台あると良い。今の問題は校庭が狭く協力願いたい。新しい理事会を開き村人、学校の協力で1教室建設予定。
床に座っての授業。
タンセンという文化の高い所の見学は有効。校長1人の力ではレベルアップ
は難しい。先生方の協力が必要。タンセンから来て頂きディスカッションが出来れば良いと思う。ルンビニ地区の先生の話し合いの場が出来ればと思う。
・ マズワニ小学校
21年前タンセンに教育研修に行ったことがあり、変っていると思う。学することは大変メリットがあると思う。ミカの会の増設、中学校の開設に感謝している。
制服にも感謝。次は高校にしようと考えている。これもミカの会のお陰。
柵が欲しい。

 Q.会長
机、椅子は自分たちで作れないのが? 皆で金を出すなり、村の予算化を働きかける努力するなり。そんなに大きな予算ではないのでは?
A.一番の問題は周辺に教育に関する認識がないこと。公立学校は政府の学校で政府がやることと思っている。村人は建設は政府がやっていると思っている。
開校式に村人を呼んで外国の力で建てていることを知らせている。

A.スンディ−の場合周りの貧しい。働く場所はレンガ工場3食たべられない。
 机、椅子に約2万ルピーかかる。ノート、エンピツは親にとって有り難い。

Q.会長
掃除の行き届かない学校があり、施設管理をしっかりやって貰わないと支援する人に理解を得られない。学校の清潔⇒心の清潔 学校の維持を。
高学年になると就学率が落ちる。小学校くらいは卒業させてやりたい。
Q.大谷  校長はタンセンに研修に行く先生の選抜はできるか?
出来る。
Q.大谷  研修期間はどの位の期間が効果的か?
A.ミカの会はどのように考えているのか? 各校から1人なら1ヶ月間。
Q.大谷 タンセンから呼んで集合研修をする場合どのような形がとれるか?個別の学校での実施は難しい。
A.中心の学校を選んで集まる。例えばスンディ−、ヤナトラハ校
Q.会長  7年ルンビニに来ているがマズワニ村、サクロンパカリ村だけは村長とも親しくなった。
村長とも親しくならねば予算配分など難しい。シリ・シリ・ラムは独自の力で中学を建設しており素晴らしい。村長、郡長も含め政治の力を借りての学校の予算化も大切。村長とも接して予算増加要請をするには?
A.国が問題で村に予算が入ってこない。柵を作るのに1万ルピー。時たま予算がくるが足りない。
Q.今日、学校を見ると柵が壊れて、鉄条網を踏みつけて歩いている。なぜ、修理をしないのか?
A.1万ルピーでやると品質が悪く直ぐ壊れる。ラマ.政府の予算で病院を作るとする。チェックする人が来た時OKであればその後すぐ壊れてもそのまま。
Q.大谷 校舎建設は一段落と考え、教員研修の他、ミカの会として図書館を考えているが、1教室くらいを作る場所はあるか?
A.土地はあるがセンターにならないと難しい。スンディーあたりがいい。
.維持管理をどう思うか?
A.安全性は大丈夫。8年前の時計は今もある。
Q.会長 日本では道路ふしん、グランド作りなど父兄がやっていたがここは?
A.山の方ではそのような習慣があるが此方ではあまりない。一番の問題は政治家、理事長になるには選挙があり、ある党のひとがなるとその他を支持している人が付いて行かない。
Q.会長 ミカの会で資材を提供したら、村人の協力は得られるか?
A.75%出来ると思う。資材を貰って村人が協力して建てるのは良いこと。永くなると人件費など支払いも必要になる。
Q.沼野 校長の任期は何年か?
A.行政が決めることで分からない。大谷 教員研修に関し、ミカの会で案を作るので皆さんで検討してほしい。先生方のやりやすい方法に協力するが良い計画にするのは皆さん方である。
会長 閉会挨拶

※ マオイストの関係か夜遅くなると警察の監視が厳しく1人歩きは無理で討議に充分時間が取れなかったが有意義な会となった。
午後8時閉会。
グルワニマイの校長は帰る手段がなく我々のバスで送る。
※ 教員研修 校長のタンセン視察費 ラマ氏意見:Rs.1000/日 宿泊、食費はこれで任す。バス代 往復 Rs.200
※ルンビニ地区で校舎要請を新規に3校受ける。書棚6本寄贈確認 購入額未確認。講堂の建設要請あり校庭もありバドミントンなどの親睦試合の次回申し入れ
1月30日 ・ルンビニ公園観光。齋藤会長による物故者供養。
・ シリ・グルワニマイ小学校視察:今村副会長からの写真提供
・ シリ・ヤナトラハ・ハイスクール視察:学校は休校。植樹の木は元気に育っている。昨年届けたテニスボールはすっかり毛もなく磨り減っていたが使われていた。
・ マヤ夫人生誕地観光は雨のため道路状況が悪いとの情報で中止しバイラワ観光後カトマンドゥへ。
1月31日 ・ マウンテンフライト。バザー品購入。
・ 齋藤会長、小宮山、小川ディケァー保育施設視察。
・ パドゥマ・カニヤ女子校視察:書棚6本寄贈確認 購入額未確認。講堂の建設要請あり。校庭もありバドミントンなどの親睦試合の次回申し入れ
・ パタン観光
・ ナガルコット クラブヒマラヤ   雨、レッサン・ヒィリリーの生演奏に合わせての今回の踊り手は大石さん
2月1日 ・ バクタプル観光、カトマンドゥ観光。ショッピング。インドから帰ったジャンモさんと合流
・ 空港へ 梶、大谷繰上げ帰国  大石、和田、木幡さん延滞
2月2日 ・ 上海〜関空〜羽田
  齋藤会長、梶さん関空で別れる。忙しい第7次教育支援の旅本当にごくろうさまでした。
 最新ネパール情報
・ カトマンドゥの道路がJAICAにより驚くほど綺麗になり、街並みも見違える感じ。信号もあちこちに設置され、見方の指導がされている。
・ポカラ〜タンセンの道が良くなり今までの半分の4時間程度とか。
・ 観光客の数が極端に少ない。その分か物売りが兎に角しつこく蝿の様に付き纏う。何度「ノン」「ノン」と云ったことか。少しまともな物を売れッ。
・マオイストと政府との話し合いが合意された。今後の和解に期待できそう。
・ 滞在中に警視総監夫妻とガードマンが射殺された。街中には銃を持った兵隊が目立つ。
・ タンセンの居酒屋「ダ〜ァン」の親爺の手術の傷は30cmはあり大きい。
・ タンセンの定宿シリナガルHの八木さんが餅を焼いた暖炉は無くなった。危なっかしい継足しの4階建ての工事はそのまま。
・ カトマンドゥ、ポカラ、バイラワでは携帯電話が使えるようになった。日本円で3万円だそうだ。
 ラマさんが持てば急ぎの時は助かるなぁ。
・ ラマさんが気功を習得していた。「胸が痛い」と云っていた梶さんがタンセンで受けた。「う〜ゥん。楽になった」本当ですか?その後呑み会。
・ マヤ聖堂に巨大な建物出現。あの場所にはそぐわない。ヒンドゥ風とか。
・ 会員岩田泰子さんご夫妻がパタンにトイレを建設の資金提供の提案に地域住民、行政を動かし水洗トイレが完成した。
あまり深く考えないようにしょう』----大谷  安宏
 カトマンドゥの家並みは深い朝もやのなかに鶏の鳴き声、クラクション、人々の動きとともに明けたが、いつもと違い何時まで経っても上空に明るさが増さず、天候はあまり期待できそうもない。天候不順と寒さと知らされていたが、今回の支援の旅の先々がいささか不安を感じるが、初めてのネパール参加者にヒマラヤの雄姿を堪能してもらうためにも好天を期待したいものだ。
 朝食前にカトマンドゥ日本語学院を訪れラマ校長の活躍振りを拝見することにする。さすがに以前に比べて校内の整理整頓も行き届き、壁に掲示されている資料などからも積極的な校内運営が伺える。ラマさんの表情もすっかり校長としての威厳と自信が感じられる。5人の生徒に2人の日本人教師よる授業のテーマは近く行われる弁論大会のに向けての特訓で、女子生徒による“海への憬れ”を発表披露してくれた。海を見たことのない彼女のインド洋に浮かぶモルディブへの憬れと地球温暖化により水没の危機が予測される危惧を訴えるもので、CO2排出国として上位にある国として、複雑な気持ちで聞かしてもらった。一昨年地球一周の船旅で訪れたモルディブのエメラルドグリーンの海に浮かぶ島々の写真を贈ることを約してきた。
 テロやマオイストの関係で空港の手荷物のチェックが厳しいことを予測し、企業からの支援計測器のマルチメータは手荷物のザックにしたが、関空での通電テストのチェックは受けたが、どうにか無事バイラワ便にも通過することができた。霧で大幅に発着の遅れの中、ラマさんの交渉でポカラ便をバイラワ行きに繰り上げ、幸いにヒマラヤの峰々もどうにか望めるフライトで窓に顔をすり寄せ見入っている皆さんの姿に安堵した。
 ナグロ・レストランでの先生方との懇親会には大幅に遅れ、皆さん方を待たせてしまったが、学長筆頭に両手を差伸べ懐かしい笑顔で迎えてくれる。すっかりこちらがネパール時間になってしまった。出席の先生方の数も増え、関空で仕入れた“サントリー山崎15年”もみるみる空になる盛り上り。継続した交流をもとにした親交はありがたい。
明日からはタンセン、ルンビニの怒涛のような学校訪問が始まる。
 合同図書贈呈式はトリブバァン大学理系校講堂にて9校に582冊を寄贈し、これで延べ3000冊となった。書籍の注文から贈呈式の間、ラマさん等が12回に亘り車への積み下ろし、一冊ごとに3箇所のミカの会寄贈印を押すご苦労があっての贈呈式には本当に頭の下がる。せめてゴム印を押すぐらいは自分達でやれる時間の余裕が欲しい。
 学校訪問は新規図書支援校で「塩屋の息子」の通うジャナタ小中高校から始まり、予定外に教員研修施設マルティパルキャンパスを視察。初めてのパドゥマパブリック校、パラヨン・タラ・ダワン校、ミレニアムセカンダリ校からワーキングチルドレン校。モホン女子校でセン小学校の二手に別れての訪問とした。セン小学校の訪問は悪名高い急坂を敬遠して暫く訪れていなかったが、生徒からラマさん宛に「最近ミカの会は学校に来て呉れませんが何か先生方が悪いことでも?」との手紙を受けていたこともあり、比較的若手?グループの訪問となり、要請のあったパソコン一式を寄贈セッティングした。久し振りの訪問のせいか子ども達の歓迎はすさまじく、皆顔が埋まるほどのレイを掛けられて目を白黒している。ここの子ども達は特に元気で無邪気で人懐こく楽しい。校長にはルンビニ地区の教員研修に積極的に協力するとの確約を得ることができた。また、マルティパルキャンパスはルンビニの教員研修に打って付けの施設であり、今後のコンタクトをラマさんに託した。 明日のルンビニで配る品物の仕分けの間、持病の肺気腫のせいか胸が痛いと言う梶さんに2ヶ月習得したラマさんが気功を試みてくれ、大分楽になったらしい。僅かだがお粥を食べられた。標高の影響もあるのかルンビニでの様子では延滞を取りやめ、早めの帰国を考えた方が良さそうだ。
 ナガルコットの丘を降りる途中の準看護学校を立ち寄る。昨夜是非立ち寄る様に連絡が有った様で、住いを兼ねたホテルのような立派な建物でタンセンの山並みを見下ろす最高のロケーションだ。二つの教室には男女の若者が授業を受けていた。コーヒーをと勧められるが、スンディーの開校式の時間が気になりルンビニに向けて降りることにした。タンセンは決して大きな街ではないが学校はあと幾つあるのだろうか?。さすがに教育レべルが高いと云われるのが納得できる。
 やはりネパール時間の常習者になってしまった。既にスンディ−小学校の校庭には4〜500人ほどのひとが集まり式典の準備は整っている。昨夜らいの雨も上がり3っの校舎と職員室はルンビニの太陽に真っ白に輝いている。校長の話では地域の人達は校舎建設はネパール政府が行っているものと思っているため、多くの人に声を掛けて外国のNGOの善意によることを知ってもらったと云っていた。今回の建設支援は全額大石トキさんの資金援助によるものであり、大石さんの挨拶に続き、和田さんのネパール語での挨拶には集まった人たちも和やかな雰囲気で聞き入っていた。時折ラマさんと確認しあう和田さんをにこやかに覗き込む大石さんの光景は実にほのぼのとしていた。校舎の壁の大石さんの名前が彫り込まれたプレートに安堵の表情を浮かべる母娘によるテープカットに地域の人たちから大きな拍手が湧き上がっていた。
おめでとうございます。本当にありがとうございます。
 今回、7名の初参加者に今までの支援実績を見て貰うようにラマさんと決めて怒涛のような視察が始まった。昨年に比べ整理整頓されているアディアリ小学校、シリ・マズワニ小学校、ブルーの制服2クラスのマズワニ中学校では青沼さんの用意してくれた写真を配り、風邪のため不在だった期待の保健婦の保健センター、壊された井戸のマホマディア小学校、中学校2教室を建設中のシリ・シリ・ラム、なぜか子どもたちの数が異状に多かったシリ・ルンビニ小学校と目の回るような駆け足の支援校巡りだ。
 マヤ聖堂脇のレストランで夕食を兼ね各校の校長との懇談会は教員研修、図書施設の提案に「有意義なありがたい」提案と賛同を得られたが、相変らず机、椅子、柵の要望が多く、自らの努力での改善の姿勢に乏しく、提案に今一つ積極的な意見、要望が聞けなかったのは残念でもあり、実施にあたって不安も感ずる。
 ルンビニ地区の学校視察はあと2校だ。4基の扇風機を付けたグルワニマイ小学校。記念植樹も大分大きく育ったシリ・ヤナトラハ校でボールで遊ぶ子を見掛け、見せてもらうとすっかり毛の無くなったテニスボールだ。昨年来た時配ったものであろう。ここまで使って呉れているのかと嬉しい。持っていったボールと交換すると感触を思い返すように撫ぜ廻しているのが印象的だ。中野さんまた宜しくお願いしますょ。
 パドゥマ・カニヤ女子校の先生方は今年もにこやかに迎えてくれ、今回の6本の書棚を加え立派な図書室になった。パタンの観光もそこそこに雨のナガルコットへ。クラブ・
ヒマラヤの雰囲気に包まれるとドッと疲れが出る。学校毎に挨拶をされていた会長はさぞ疲れているだろう。生演奏のレッサン・フィーリーリに合わせての今年の踊り手は大石さん。バクタプール、カトマンドゥの観光、ショッピングと慌しい。インドから帰国したジャンモさんがフィクスチケットを延滞を繰り上げ変更して届けて呉れた。法華ホテルから電話一本で変更したラマさんに敬意。
 帰国後朝日新聞コラム特派員メモ欄にバクタプル“深くは考えまい”の記事が目に付いた。内容は「こんにちは。私に本を買ってくれませんか」。ネパール中部のカトマンドゥに近い古い都バクタプルを訪れた時、少女が片言の日本語と英語で話しかけてきた。10歳の彼女は英語の勉強に辞書が欲しいが、貧しくて買えないという。名前はスジャータ。ネパールで生まれた釈迦が修行でやせ衰えいた時、牛乳で煮込んだおかゆをくれた少女と同じ名前だ。南アジアではとこでも物乞いがいるが、元締めが「ショバ代」を得て働かせている場合が多い。インドでは物乞いの「労働組合」や全国大会もあるらしい。「施し」にしても本人にいくら入るか分からないし、貧困解決にもならない。気の毒だが、ほとんどいつもやり過ごしている。この少女も新手の物乞いかと思ったが粗末な身なりながら、大きな瞳がキラキラしている。一冊の辞書がきっかけで勉強に励み、将来は大人物になるかもしれない。少し迷った末、一緒に本屋に行った。「まさか少女を使って稼いでいるんじゃないでしょうね」。店主に念を押し、150ルピー(約230円)の辞書を買ってあげた。「サンキュー」。満面の笑みを浮かべ、少女は走り去った。年齢に比べ、妙に堂々とした態度がすこし気になった。でも、あまり深く考えないようにしている。と。
 マオイストに追われて地方からやってくるのが急増しているそうで、バクタプル、カトマンドゥを歩くと今回は特に多くの物乞いが擦り寄り、「ルピー、ルピー」と云ってくる。以前は「ペンシル」「スイート」「シガレット」と云って来たが最近は殆ど聞かなくなった。まして辞書が欲しいと云われたことはない。もし云われたらつい買い与えてしまうだろうと思う反面、辞書を欲しがっている子どもたちは、多いのではないかと考えさせられる。次回訪れる時にはシリ・マズワニ中学校に何冊が準備することも新しい支援のあり方かなと思ったりもしたが、会の課題としてNPO取得後の対応、教員研修・移動図書の計画作り、給付金先の検討、ルンビニの貧困解決の一助策、ラマさんの負担の軽減策、会報・夢の記発行、計測器支援先への報告、会の若返り策、今回の若い参加者は新戦力になって呉れるかなぁ、等々いろいろあるなぁ〜。
“あまり深く考えないようにしょう”と深夜便のシートにぐっすり。
 
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完成したシリスンディ小学校と特別にご寄付を頂いた大石トキさん
取り急ぎ大谷事務局長の一文で今回の旅の様子をご紹介いたします。夢の記の製作が始まりますので順次追加していくますのでお楽しみに!
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