2000.03.27
第4次ネパール教育支援の旅

20名を越す過去最高の人数の旅になりました。延べ15校を訪れるハードスケジュール詳細の報告はしばらくお待ち下さい。

1
1
ネパールの自然・人々とまた出会えた幸せ

ネパール・ミカの会会長
齊藤 謹也(第4次教育支援の旅団長)
1
うれしいですね。又、見事なヒマラヤの山々と出会えました。霊峰マチャプチャレの雄姿、霊気にうたれてきました。日頃の俗臭粉々まる吾が身を、すっかり洗い流してくれるようです。このヒマラヤの雪山に出会える事だけでも、ネパールの旅を行う価値があります。日本の山々だって、富士山だって、すばらしいよ、という声がありましょう。その通りですが、何となく身近にあって慣れ親しんでいると、ついその感激が一時のものに終わりがちとなりやすいようです。しかし、ヒマラヤは一期一会という覚悟でみるせいか、旅を無事終了しても団員の方々の胸にしっかり焼き付いて、いつでもその仰ぎ見た感動がとみがえってきます。「神々の座」という形容がピッタリの山姿は、写真では味わえぬものがあり、大きくせまってきます。やはり、実際わが目で見るに如かず、と思われます。この思いを、まだ見ぬ友に伝えようとしても、もどかしく、是非一度一緒に旅を、というすすめしかできません。
そんなこんなで、第4次の今回の旅となりました。
基本的には3月5日(日)より3月12日(日)までの一週間がメインの旅ですが、2月15日にバンコク経由で出発した先発組(坂事務局長など4名)、3月12日以降2週間トレッキングをする和田母娘ありで、その人達を含めれば、ブァリエーションに富む旅行団となっています。これも、4回を積み重ねた余裕によるものでしょう。さて、私達の旅は、ネパールの自然、風土にふれる事が、一つの大きな目的ではありますが、何といっても、「教育支援」が目的の柱であり、人々と援助を通して直接触れ合う事が、この旅の特色です。素朴に心を動かして出会ったルンビニの雨漏り校舎。その修復工事をてがけての第一次教育支援の旅でしたが、3年にして、実に多くの支援活動の拡がりがあることに、あらためて驚きました。よくぞ、ここまでという思いが率直なところです。一年を通しての国内活動。その活動を基盤としての支援の旅。普段日常のあわただしさの中では味わえぬ充実感を与えてくれています。
1
1
今回は、以下の支援が行われました。
《お釈迦様の誕生地・ルンビニ》
1.シリ・・グルワニマイ小学校、シリ・ルンビニ小学校、シリ・シリ・ラム小学校三校の新設校舎完成式及文具支給
2.マズワニ村保険センター。援助品(ベット、薬品庫、井戸)の確認と建設用地(基礎工事済)の調査
3.シリ・マホマディア小学校、シリ・マズワニ小学校の継続支援事業(校舎外装工事)及文具の支給
4.シリ・マズワニ中学校(新設)の事前調査、シリ・アディヤリ小学校(3教室増設)の調査
5.シリ・マズワニ小学校、シリ・シリ・ラム小学校、シリ・グルワニ・マイ小学校の当会支援奨学生(男2名女4名)に学用品の支給
《ネワール族の古都・タンセン》
1.タンセン・トリヴァン大学(理系文系)図書贈呈式、シリナガルサイエンス校図書贈呈
2.セン小学校学年別、団員による授業及図書贈呈
3.モホン女子校訪問
《首都・カトマンドゥウ》
1.パドマ・カシャ女学校図書及備品(書庫2、イス6脚)贈呈
2.国分寺支援交流予定校の歓迎式及文具等の贈呈式(旧都パクダブル)
1
珍しく遭遇したネパールの結婚式
MR.Rama.斎藤会長.坂事務局長の真剣なまなざし
1
その他、二日目に山行希望の人達がポカラからダンパスにトレッキングに行っている間に、レア湖残留組の数名がバスに乗り込み約一時間半、タンセンに向かう街道沿いにあるサンジャの小学校(私立)を調査しています。又、翌日朝、岸本さんという篤志家の建設したポカラの小学校を訪問してます。こういった支援内容を書き連ねてみると、実に多彩かつ豊富な支援内容となっています。アイサツ用員である私は別として、大谷団事務局長をはじめ、世話をしたヌルブラマ君、モティ君、及び世話人の気苦労が、いかに大変だったか、察せられると思います。
ところで、今回の旅で私が一番記憶に残ったのは、タンセンのトリヴァン大学の図書贈呈式の際の案内人「ヌルブ・ラマ君の大興奮」です。式に参列するため、大学に到着すると学長や教授がまっておられました。そして、例によって「ナマステ」で迎えてくれましたが、ラマ君が興奮して叫ぶのです。学長達が正式のナマステをして迎えてくれています。しっかり、顔の前に合掌して下さいと何度も何度も注意します。実は「例によって」と書きましたが、大学長というネパールの指導者の一人、最高知識人がナマステをして迎えるのは異例中の異例で、上の者は必ずナマステを受けてのち、かえすのが通例であり、それだけ私達の活動を認め、敬意を表したという事ですとあとでラマ君から説明され「大興奮」の意味を理解しました。日本の人達には理解しがたい事かもしれませんが、とチョッピリ照れながらの説明は、ラマ君自体の活動が認められたのだという喜びが伝わってきたように思いました。腰を打ったり、風邪をひいたり、若干のアクシデントにみまわれた団員の方々もありましたが、おなかを一人としてこわす事なく帰国できた事は何よりと思っています。今回は国分寺のボランティア有志の方々の参加、交流対象校の内定も成果の一つです。国分寺の子供達の文具も無事届けました。又、住友銀行有志による文具も活用出来ました。会員の方々のあたたかい気持ちも届けたと自負しています。ご協力ありがとうございました。
1
回を重ねてきて、よかったと思える事がたくさんあります。団員一人一人の感想をお読みいただければ、その感激、感動の旅の一端が伝わるのではないかと思います。さて、私自身の今回の反省は、積み重ねの支援によって、つい「比較」してしまう事ではないかと思っています。多くの支援の中で、迎え方の上手、下手が学校によってあります。感謝の仕方が一様でなくとも、実は、内心喜びに満ちていることにかわりはない事を信じます。比較に目でなく、一校一校、一人一人の眼とまっすぐ向き合う事が必要かと思います。「初心の眼」を相手に求める事なく、わが眼を無心に澄まさせねばと思います。古人は他非我是をみるべからずともいい、任者はつねに人の是を視,不任者はつねに人の非を視る。「任者は必ず人の長を取り、不任者は必ず人の短をあばく」といっています。
自戒せねばと我が心に言い聞かさせています。「ミカ」はネワール語で眼を意味します。しっかり、わが眼とネパールの子供達の眼を直接合わせて、今回の旅を一里塚といして、さらに輝く瞳に答えられるようすすんでいきたいと念願しています。
1